本来はゴスペルが流行っていた3年前ぐらいに書きたかった、名作本です!
マーティン・ルーサー・キング牧師が射殺された年の年初に、ロバータ・マーティンというゴスペルシンガーが亡くなり、シカゴに住む5万人もの黒人が彼女の死を見送った…彼女の歌、音楽スタイルには憂鬱のどん底にいる人までが魅了されてしまう、そういう伝説的なシンガーの紹介から本著は始まります。
ゴスペルの源は、19世紀終盤あたりから黒人だけが集まる教会で歌う賛美歌だった「スピリチュアル(黒人霊歌)」が主体となっている、そう言われています。人種差別の酷かった時代、教会で歌う、あるいは叫ぶ、牧師やシンガーの歌に同調する、そしてその崇高な歌声が神に届く…こうした事だけが当時の黒人にとって唯一許された「自己表現の場」だったと…。
本著はそうした場としての教会から生まれた数々のゴスペル・シンガーの生い立ちから活躍、影響を受けた人物、そして歌われた崇高な歌詞、等々が章ごとに解説されています。
ゴスペルの女王と呼ばれたマヘリア・ジャクソンの名作「神はわたしたちの涙をぬぐってくださる」の歌詞の一部を綴って、ゴスペルが黒人教会から生まれた「真の意味」を是非この歌詞から感じ取っていただければ幸いです。
わたしたちが あの永遠の時がながれる / 幸福な故郷にたどりつくとき / あの明るい 永遠の朝に / 神はわたしたちの涙をぬぐってくださる
ゴスペルから出た女性歌手で、未だ現役で讃えられているのはアレサ・フランクリンとメイヴィス・ステイプルぐらいでしょうか…ホイットニー・ヒューストンの母、シシー・ヒューストンが「娘のホイットニーがアレサ・フランクリンとデュエットをする事を知った時、あまりの嬉しさでレコーディングまでついて行った」ほど彼女を崇拝していた事など、いろいろな黒人女性の人間模様を本著から現代の黒人音楽に繋がっていること、これを是非知っていただきたいと思います。お薦めします。
wanigameさんレヴューの通り、けっこう、読みづらい本です
私の偏見かもしれませんが、現在の、世間一般的なゴスペルのイメージは、楽しい、歌っていて気持ちが良いといったような、明るいものであるような気がします。しかし、この本は、一見すると、むしろ、暗く重い雰囲気を持っています。 内容としては、ロバータ・マーティン(ピアノ・ゴスペルのスタイルを創った重要人物の一人で、音楽出版事業者としても成功を収めた人)の葬儀に、多くの貧しい人たちが参列したというエピソードから始まり、主にゴスペル歌手の実録、証言を通して、当時の社会状況、ゴスペル音楽のポピュラー音楽への影響の大きさ、そして何よりゴスペルという音楽が歌い手自身・一般の人々の中にどの様に生きていたのか(現在も生きているのか)等を紹介しています。 よって、ずいぶんと辛い話が多く、ただ、軽く、楽しくゴスペルを聴きたい、歌いたいという方が読むと、むしろ差し障りがあるのかもしれません。 しかし逆に、ゴスペルのことを少しでも深く知ろうとした場合には、早い時期に出版されたために、現在では、絶対に避けて通ることの出来ない本となっています。(内容に関して批判も有る様なので、単純に全部を信じ込むのは危険ですが。) 先ほど、暗い、重いと書きましたが、読み進むうちに、その暗い中に光が差し込んでくるのを感じられるのではないかと思います。同じゴスペルの曲を聴いたとしても、この本を読む前と、読んだ後では、少し違って聞こえるのではないかと思います。 確かに読み辛い点は有りますが、結論としては、やはり、おすすめの本です。 (読み辛さは、実際にCDを聴きながら読むことで幾分緩和されると思います。古いゴスペルを聴かれたことのない方には、最初の1枚目は、個人的にですがキャラヴァンズがお勧めです)
ゴスペル音楽を学ぶ者の「バイブル」
おもしろくはない。しかし、ゴスペル音楽に関わるなら必ず読んでおかなければならない「バイブル」である。これを知らずしてゴスペル音楽を語るなかれ!
ブルースインターアクションズ
魂のうた ゴスペル 深い河のかなたへ―黒人霊歌とその背景 ゴスペルA to Z ゴスペルの本―from bloom to soul ベスト・オブ・黒人霊歌
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